出羽三山をはじめとする山形県の神社仏閣

2020年3月30日

出羽三山へ興味を持ったきっかけは、幼い頃にTVで見た「湯殿山麓呪い村」という映画でした。
もうストーリーは全く覚えておらず、何となく横溝正史に似た雰囲気と、ただただタイトルの言葉の響きが気に入っていたように思います。
その湯殿山が実在するのだと、しかも山形にあるのだと知った時、いつか行ってみたいなぁ……と思ったのが始まりでした。

それから随分と経った2003年に、ようやく念願だった湯殿山神社を訪問。
その時の衝撃は今でも忘れられません。「語るなかれ、聞くなかれ」とされている御神体での経験全てが衝撃的で、とても神秘的でした。
この時は、母と共に祖母を連れての鶴岡旅行へ行く途中に立ち寄ったのですが、訳あって自分一人での訪問となってしまい、また、羽黒山へはまだ雪深く行く事が叶わなかった為、いずれぜひ母親も連れて出羽三山の神社巡りをしたいと強く思ったものです。

そしてその思いは、更に15年経った2018年に果たす事が出来たのでした。
ただし月山神社までは軽く登山をしなければならず、そこまでの覚悟は無かったために、月山神社のみ訪問は断念してます。

出羽三山関連の神社仏閣

湯殿山神社

湯殿山神社大鳥居
まだ雪の残る湯殿山神社大鳥居

訪問した理由は、先に述べた通り。

羽黒山・出羽神社(三神合祭殿)

羽黒山(三神合祭殿)

出羽三山のひとつ羽黒山の山頂にある神社で、ふもとにある国宝五重塔は、かつての神仏習合時代の名残。山奥に位置する月山神・湯殿山神社へは冬季の訪問が困難という事で、三神合祭殿にて通年で祭典などが行われている。

湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊

瀧水寺大日坊

即身仏である真如海上人の御衣等が入った御守が「最強の御守」として有名だと、偶然にも出羽三山を巡る旅を計画している時に聞き、これは是非行ってみなければ!と訪問。
住職さんのお話がとても興味深く、寒河江市にある慈恩寺を訪問するきっかけとなりました。

慈恩寺(寒河江市)

慈恩寺(寒河江市)

大日坊の住職さんから、かつて出羽三山というと鳥海山・月山・葉山だったという話を聞き、その辺りを調べていくうちに、このお寺が衰退した葉山信仰の中心だった事を知り、ぜひ訪問してみたいと思ったのでした。

出羽三山を知る本

出羽三山――山岳信仰の歴史を歩く

出羽三山について非常によく書かれた本を、この旅を終えた後に発見しました!今後もまだ山形へは何度も行くと思うので、次回、再び出羽三山を巡る時の参考にしたいような本です。

出羽三山

出羽三山神社が著す「出羽三山」のとても美しい写真で綴られた写真読本です。Kinde版もありますが、これは是非紙の本で見ていただきたいです。

即身仏

弥勒菩薩が、釈迦の入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き多くの人々を救済するとされており、その聖業に参加する為に自分の身をこの世に留めおこうと、真言宗で始まった修業の一つ。(あまり深く学んでいないので、間違っていたらすみません)
この苦行を行う為に修験者たちが集まった場所が湯殿山でした。その為、山形には多くの即身仏が残されています。

ここで、二冊の本をご紹介したいと思います。

まず一冊目は、出羽三山だけでなく日本全国の即身仏を4年かけて回った、紀行文も兼ねたような本です。
各即身仏の詳細な背景や歴史などが書かれており、かなりな情報量です。ただし学者とか研究者ではないので、あくまでも伝え聞いた話などの取材や書物から得られた情報を参考に書かれた本です。

次に紹介するのは、本来は遠い昔の日本で水銀がどのように使われていたか、という内容が書かれた本なのですが、水銀が即身仏には不可欠だったと説いていて、非常に興味深い内容となっています。

朱とは水銀の事。湿潤な日本で即身仏が可能だったのは、水銀が防腐剤の役目を果たしたからだそうです。簡単に説明すると以下の通り。

真言宗の開祖である弘法大師空海が開いた高野山はもとより、湯殿山も水銀地帯。(湯殿山の宝前辺りは水銀含有0.04%と高いらしい)即身仏になるには、まず五穀(米・麦・稗・粟・豆)断ちを5年、その後更に十穀(蕎麦・トウモロコシ・芋・胡麻・麻)断ちを5年すると、体中から脂肪分が抜けます。この間、代わりに食した野草や野菜類は土壌から吸い上げた水銀を保有しており、修験者たちは水銀も同時に摂取していたと思われるとの事。水銀は体からほとんど排出される事は無く、腐らずにミイラ化したのには蓄積されていった水銀によるところが大きいというものでした。ちなみに、大日坊の即身仏は、最後の仕上げに漆を飲んだらしいです。
ただ、これらの事を行っても必ずしも即身仏になれた訳ではなく、残念ながら悲願を成就できなかった場合は、吊るされて燻製にされたのだとか。即身仏の胸に十字の縄の跡があるものはその証拠だという事です。

なお、湯殿山の即身仏関連のみが知りたいのであれば、目次の古代の朱1(赤の世界)~5(日本のミイラ)と即身仏の秘密を読めば十分かと思います。

神仏習合から神仏分離と廃仏毀釈へ

恥ずかしながら、神仏習合だの廃仏毀釈だの、大日坊さんを訪れるまではほとんど分かっていませんでした。今回こうして調べる事に至ったのは、廃仏毀釈の際に多くのものを失ってしまった口惜しさを熱く語る、大日坊の住職さんのおかげです。

簡単に言うと、日本土着の自然崇拝である神道=神社とインドからやってきた仏教=寺院が、長い間に影響しあい融合し、境目がなくなっていたのが神仏習合。
それが、明治になって神道と仏教を明確に分けようという神仏分離令の発布(政治的な思惑が多分にあったらしい)をきっかけとして、それまで寺請制度によって財政的に大変潤う事となった仏教側へ不満を持つ市民や神官たちの想いが爆発し、廃仏毀釈=仏教を排する運動が起きてしまった、という事です。(それ以前にも同じ動きは何度かあったものの、この明治初期の運動をを指す事が多いらしい)この結果、全国の半数の寺院が消滅し、多くの国宝級の文化財が失われたそうです。
出羽三山の寺院も例外ではなく、数多くの寺院が廃寺もしくは神社へと姿を変える事となり、貴重な文化財が失われてしまいました。特に羽黒山では伽藍や文物が徹底的に破却されたそうです。

詳しくは以下のページをご覧ください。

こちらの内容も興味深かったです。

その他の神社仏閣

上杉神社

上杉神社

参拝はせずとも、田舎へ行く際には毎回必ず、休憩やお土産購入などの為に、上杉神社のある松が岬公園へ寄っています。この公園は、米沢でも一二を争う観光スポット。

立石寺(山寺)

立石寺

山形と言えば山寺でしょう!と、行ってきました。が、高齢の母親を連れていた為に 、ふもとの根本中堂のみ参拝です。

熊野大社

熊野大社

南陽市を訪れると頻繁にこの神社の案内を見かけていたので、いつかは行ってみたいと思っていた場所。立派な茅葺き屋根の本堂が印象的。

烏帽子山八幡宮

烏帽子山八幡宮

桜の名所として知られる烏帽子山の山頂にある神社で、継ぎ目なしの石造りでは日本一の大鳥居があります。

林泉寺

林泉寺

従兄弟から、米沢に直江兼続ゆかりのお寺があると勧められて訪れた場所。かなり濃いガイドツアーを体験できます。